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コラム

 

憲法の理念を伝える活動 −高校の授業に参加しています(その1)

2009年08月25日
弁護士  川島 英雄   プロフィール

 私は、札幌弁護士会憲法委員会に所属しています。
 この憲法委員会で、一昨年から、高校生に対して憲法の理念を伝えるべく、高校の授業に参加させていただくようになり、現在も活動中です。
 

 私がなぜこのような授業参加をするようになったのか、高校生に伝えたいと考えている憲法の理念とはどういったものか、授業ではどのようなことをしているのか、といった点について、このコラムをご覧いただく皆様にもご理解いただきたいと思いましたので、これから数回にわけてお伝えしたいと思います。

 

 「なぜ、高校の授業に参加して憲法の理念を伝えるようになったのか」

 

 札幌弁護士会では、重大な社会問題などをテーマとした市民集会を毎年数回開催し、広く一般の皆様に情報発信してきました。憲法委員会でも年に数回、憲法問題に関わる内容の市民集会を開催してきました。
 

 しかし、札幌弁護士会主催の市民集会の参加者数は、最も多いときでも1000名にまで達することはほとんどないのが現状です。数百名の参加でも市民集会としては十分成功といえるレベルではあると思うのですが、例えば毎年2回憲法委員会で憲法の理念を伝える集会を開催したとしても、どんなに多くとも年間2000人までの方にしか伝えることができないことになります。
 また、市民集会は、毎回楽しみにしてくださる常連の方も数多くいらっしゃるため、上記の例でいえば延べ人数2000人の中には相当数重複している方がいらっしゃるということになります。そうすると、実際には、毎年2000人に憲法の理念を広めるということもできていないということになります。

 

 私は、現在の日本では、「日本国憲法の理念を全く前提としていない中での改憲論が議論されている」と考えており、そのような改憲論に対して非常に大きな危機感を感じています。
 私は、決して「永久に日本国憲法を改正すべきではない」という護憲派ではありません。日本国民がみな「日本国憲法の理念」を理解しており、それでもなお改憲が必要だと判断した場合には、憲法を改正してもよいと思っています。しかし、現在のように「今の時代にあった」とか「戦後60年を経過したから」などという理由が改憲の理由になるようでは、とても日本国民がみな「日本国憲法の理念」を理解しているとは思えません。こうした理由による改憲は、国民にとって本当に必要な改憲ではないと思います。このような改憲が実現してしまえば、それはきっと国民にとって不幸なことだと思います。
 ですから、日本国民のできる限り多くの人が「日本国憲法の理念」を理解することが必要だと思うのです。

 

 現在、おそらく日本国民のほとんどの方は「日本国憲法の理念」といわれてもピンとこないのではないでしょうか。しかし、これはある意味やむを得ません。なぜなら、これまでの教育課程の中で「日本国憲法の理念」を教わることがなかったからです(ちなみに、私のいう「日本国憲法の理念」というのはいわゆる「三大原則」のことではありません。もっと根底にある考え方のことを指してこう呼んでいるつもりです。)。
 

 そこで私が考えたのが、「誰もが必ず通過する教育課程の中で憲法の理念を教えることができないか」ということでした。これが実現すれば、毎年1000人どころか、もっと莫大な人数の生徒に憲法の理念を伝えていくことができるのではないかと考えたのです。

 

 こうして、私が憲法委員会で発案の一翼を担い、これまでの市民集会型の情報発信以外の方法で憲法の理念を伝えていくため、学校の授業への講師派遣ということを開始したのです。
 ただ、本来であれば義務教育である中学校にも派遣するところなのでしょうが、初めての試みのため手探り状態であり、当面は協力的な教員の先生方がいらっしゃった高校で可能な範囲で授業参加を実現していく形をとることにしました。こうして、高校の授業に参加して憲法の理念を伝えることを始めさせていただくことになりました。(つづく)

 

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