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第3回目相続問題は、生きている間に対処ができる!
05こんなときは早めにご相談ください!
5. こんなときは早めにご相談ください!
ここまでで、相続に関する法律の基本的な制度については、かなり詳しくご説明しました。
しかしながら、実際に相続問題に直面した場合、こうした一般的な知識だけで解決できる場合と、そうでない場合があります。似たような事例であっても、一つ一つのトラブルは厳密には違う問題点を持っているものです。
以下にご紹介するような場合には、早めに弁護士にご相談されることをお勧めします。
1 特定の相続人にだけ自分の財産を残したい
2 亡くなった親の面倒を見ていた相続人が遺産の内容を教えてくれない
3 親の遺品の中から遺言書が出てきた
4 遺言書が偽造されたのではないかと疑っている
5 遺言で自分の取り分が全くないことになっている
1 特定の相続人にだけ自分の財産を残したい
これは、今後生じるかもしれない自分の相続についての問題であり、まさに遺言で解決すべき問題です。
遺言作成の際には、後の紛争予防のため、その方式や内容についてきちんと考えておくことが必要です。別ページでもご説明したとおり、遺言に関する法律の要件はかなり厳格であり、また、文言などもよく工夫して考えておかないと思わぬ形でご自身の意思を反映させることができなくなることもあります。
ぜひ一度、弁護士にご相談下さい。
2 亡くなった親の面倒を見ていた相続人が遺産の内容を教えてくれない
こういうケースは多いと思います。ですが、実は、亡くなった方ご本人の預貯金があった金融機関と支店名くらいまでわかっているのであれば、相続人の一人であっても直接金融機関に問い合わせることが可能です。保険や共済の契約なども同様です。
もっとも、こうした手続のためには、相続関係を証明する戸籍謄本などをきちんとそろえる必要があるなど、準備や手続が煩雑であり、どなたでも簡単に行えるとは言い難い面があります。
弁護士は、裁判だけをするのではなく、他の相続人と交渉したり、調停を起こしたりも出来ますし、その前提として相続財産の調査などの依頼を受けることも可能です。煩雑な手続を任せたいとお考えであれば、ぜひご相談いただければと思います。
3 親の遺品の中から遺言書が出てきた
まず、その遺言書が法律上正式な効力を持つものなのかどうか、確かめる必要があります。また、正式な効力を持つ遺言書であれば、直ちに裁判所に「検認」という手続を申し立てなければなりません。
こうした遺言書の効力の確認、その後の検認の手続などについては、弁護士にご相談いただければ、一定のアドバイスが可能です。ぜひご相談いただきたいと思います。
4 遺言書が偽造されたのではないかと疑っている
遺言書が偽造された可能性があるとすれば、裁判所に「遺言無効確認の訴え」という裁判を起こして、遺言が無効であることを確認してもらう必要があります。
この裁判は通常の訴訟ですので、弁護士に依頼していただければ、専門家として対応することが可能です。積極的にご利用いただければと思います。
なお、遺言が偽造された疑いがある場合でも、裁判では「遺言が無効である」ことを確認してもらえば十分であり、偽造であることまでを証明する必要はありません。また、多くの場合、裁判所も「遺言が無効である」ことを確認すれば十分と考え、無効であることが明らかであれば、あえて偽造か否かまでは判断しないこともあります。
5 遺言で自分の取り分が全くないことになっている
こういう場合は「遺留分」の主張をするべきです。
遺留分は、「遺留分を請求する」という主張を、一定期間内に相手方に伝達しなければ、時効にかかってしまうこともあります。
もし、相続の場面に遭遇し、遺言書があることが判明して、自分の取り分がないということがわかったら、出来る限り早めに弁護士にご相談いただいて、遺留分の主張をすることをご検討いただければと思います。
- 掲載日:
- 2022年10月4日
- 監修者:
- 川島 英雄 弁護士