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コラム

死後離婚

2017年06月27日
弁護士  遠山 りえ   プロフィール

  最近、「死後離婚」という言葉を耳にすることはないでしょうか?

 「えっ!死んだ人と離婚できるの?」と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。確かに、配偶者が死亡してしまえば、基本的には「離婚」をすることはできません。

 でも、配偶者が亡くなった後、配偶者の親族(婚家)と縁を切りたいと思うこともあるかもしれません。そんなとき、どうしたらいいのでしょう。
 
 そこで、問題になるのが、一般に死後離婚とも呼ばれる「姻族関係終了届」です。 
 姻族とは、婚姻によって親戚となった人たち、つまり配偶者の親族のことを言います。昨今は、この「姻族関係終了届」の提出件数が年々増えており、注目を集めているようです。
 
 古い世代の方々にとっては、例えば息子が亡くなっても、息子の妻は「嫁」ですから、一旦嫁いできた以上、将来は自分達の介護をお願いしたいと期待しているかもしれません。確かに、これまでの人間関係が良好であれば、お嫁さん側も応えてくれる可能性はあるでしょう。でも、もしお嫁さんが「嫁いびり」で苦労したと思っていたらどうでしょう。また、義両親との関係は悪くなくても、夫の死後は自由になりたいと考える方がいらっしゃってもおかしくありません。
 
 「姻族関係終了届」を提出すれば、配偶者の両親等の面倒を見る義務はなくなります。届出するのに、配偶者の親族の同意は不要ですから、自分の意思だけで決められますし、届出をして婚家先と縁を切っても、配偶者の遺産を相続する権利に変化はありません。遺族年金も受け取れます。ですから、配偶者の親族との縁のみを切りたいと思う場合、大変都合のいい制度だとも言えます。
 
 ただ、お子さん達は義両親の孫であり、亡くなった配偶者は義両親の子であることに変わりはありません。その意味で完全に関係を断つことはできないですから、一方的に「姻族関係終了届」を提出することは、いらぬ軋轢を起こす原因となり兼ねず、あまり好ましいことではないかもしれませんね。
 
 やはり、配偶者が亡くなった後、いきなり「姻族関係終了届」を出して縁を切るのではなく、配偶者がご存命のうちに、配偶者側のご親族と将来的にどうやって付き合っていくかについて十分にお話し合いをしておいたほうが問題の解決としては穏当だと思います。
 
 また、一度この届出を出すと、婚家との法的関係は二度と取り戻せなくなりますので、この制度を利用する前には弁護士に相談する等し、十分な検討をしていただきたいと思います。
 
 
 
 

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